日本でもシンクロと呼ばれて、馴染みのある競技『シンクロナイズド・スイミング』。国際水泳連盟(FINA)が総会で承認し、名称が『アーティスティック・スイミング』に変更されることが決まりましたが、変更をあまり良く思っていない人も多いようです。
シンクロの名称が変更
芸術的なスイミングに
2017年7月22日、ブタペストで開かれた総会で、国際水泳連盟(FINA)は「シンクロナイズド(同調した)スイミング」の名称を、「アーティスティック(芸術的な)スイミング」に変更することを承認しました。
変更に踏み切った理由は、
- 競技内容をイメージしやすい
- メディアや一般人にもわかりやすい
などのほか、人気を高め、競技人口を増やすなどの狙いもあるようです。
日本の関係者も困惑
名称変更の可能性が高まっていた2016年に、日本のシンクロ関係者も困惑していました。
日本水連の本間三和子シンクロ委員長は『シンクロ関係者の反対は多いが、IOC(国際オリンピック委員会)の意向が強く、FINA(国際水連)も従わざるをえない状況になってきている』と話しており、日本代表の井村コーチは、
やめてほしいなあ。
でも五輪から外されたら困るから、みんな従うでしょうけど。
うちの井村シンクロクラブもアーティスティッククラブになるのか。
ー引用元:Nikkan Sports
と嘆いていたそうです。
そして、2017年、本間委員長や井村コーチの予想通り、『アーティスティック・スイミング』への名称変更が決定。
日本でも、SNS上での批判が相次ぎ、マツコ・デラックスさんが名称変更に苦言を呈すなど、残念なニュースとして伝えられています。
海外での反応は?
選手たちも不快感
シンクロの名称変更決定が伝えられると、各国のシンクロ団体や選手たちが即座に反応。
『何と呼ばれても、シンクロの本質は変わらない』という前向きな意見がある中で、「アーティスティック・スイミング」という名称について、
- スポーツ競技として認められていないみたい
- シンクロの演技は、運動能力やキツい練習を要するのに
- せっかく男子にも門戸を開いたのに、名称変更は逆効果では?
など、批判が殺到し、名称変更を撤回するためのオンライン署名も行われています。
過去には名称変更も?
記憶にある限り、『シンクロ』として親しまれている、シンクロナイズド・スイミング。
記録に残っている一番最初の大会は、1891年にドイツ・ベルリンで行われたそうで、シンクロは「ウォーターバレエ」として、20世紀初めにかけて各国で発展。
1930年代に「シンクロナイズド・スイミング」と呼ばれるようになり、競技・名称ともに浸透していきました。
シンクロは、1968年に国際水連によってウォータースポーツ競技として公認され、1984年のロサンゼルス五輪で初めて正式にオリンピック種目として採用されました。
リオ五輪での競技の様子
2020年の東京五輪では『アーティスティック・スイミング』の名称で、競技が行われる予定です。
日本語では「シンクロ」の方が言いやすかったのですが、今後どうなるのか気になります。
まとめ
- シンクロナイズドスイミングの名称変更が決定
- アーティスティックスイミングに決まったが、関係者からは困惑の声
- シンクロナイズドスイミングは過去にウォーターバレエとも呼ばれていた