5月7日に行われるフランス大統領選挙の決選投票。その直前になって、エマニュエル・マクロン候補のメールや内部情報がオンライン上で公開され、偽情報も拡散されるなど混乱が起きています。
フランス大統領選挙、決選投票支持率は?
4月23日の第1回投票を勝ち抜き、決選投票に進んだマリーヌ・ルペン候補とエマニュエル・マクロン候補。
【フランス大統領選 両候補が最後の訴え】
投票前最後の世論調査では、マクロン氏への支持が61.5%から63%で、ルペン氏を25ポイント前後上回り、マクロン氏が優勢。
ただ、投票率が下がれば、より固い支持基盤を持つルペン氏に有利に。https://t.co/nsRZzPmvIB— NHK国際部 (@nhk_kokusai) 2017年5月5日
5月初旬に行われた世論調査では、ほとんどの調査会社でマクロン候補が60%台前半、ルペン候補が30%台後半の支持率。
しかし、まだ投票する候補者を決めていない人や ” 隠れルペン ” の有権者もいるため、イギリスEU離脱の国民投票や、アメリカ大統領選挙のように何が起こるかわからない接戦となっています。
そんな中、マクロン陣営がサイバー攻撃に遭い、メールなどの内部情報がオンラインに流出しました…。
マクロン候補へのサイバー攻撃?メール流出の被害
フランス大統領選挙を直前に控えた5月5日、EMリークスを名乗る何者かがマクロン陣営の内部情報をネット上の文書共有サイトに掲載。
マクロン候補の陣営は5日夜に声明を出し、『大規模なサイバー攻撃を受け、大量のメールや会計文書などの内部情報が流出した』と発表しました。
エマニュエル・マクロン候補
オンライン上に流出した内部情報は、数週間前にマクロン陣営関係者の私的・公的なメールなどがハッキング被害に遭い、盗み出されたもの。
マクロン陣営は、これらの文書の内容は合法で、選挙には影響はないと説明しました。
しかし、公開された情報には一部、偽の情報も含まれているそうです。
偽情報もオンライン上で拡散?
マクロン候補の内部情報がオンラインで公開されると、内部告発サイト「ウィキリークス」はTwitterに文書共有サイトのリンクを投稿。
『中身を調査している』『流出した文書は、4月24日までのメールや写真、添付ファイルで、およそ9GB分のデータ』など、次々に最新情報をツイートしました。
ウィキリークスが投稿に#MacronLeaks(マクロン・リークス)のハッシュタグを付けたことから、このタグが急速に広まり、多くの人が#MacronLeaksとともに情報を発信。
流出事件への反応の他、『マクロン候補は危険な組織とつながっている』『オフショア口座や隠し資金の疑惑は本当だった』などの情報や、加工された写真など、有権者を惑わせる情報が拡散されています。
これを受けて、フランス大統領選の選挙管理委員会は6日に声明を発表し、「オンライン上の情報には虚偽が含まれる」と注意喚起。
報道機関には、偽情報を伝えると罰せられる事があるとして、報道の自粛を呼びかけました。
フランスでは、6日午前0時に大統領選挙の公式な選挙運動は終了しており、7日の投票終了まで候補者による発言やメディアの世論調査の公表は禁止されています。
選挙の結果が出るまで、今回のサイバー攻撃の影響があったのかはわかりませんが、今後の動きが気になります。
まとめ
- フランスの大統領選挙でマクロン候補の陣営に大規模なサイバー攻撃、内部情報が流出
- 流出した文書は合法だが、一部、偽の情報も含まれている
- ネット上では、有権者を惑わす情報が拡散されている