トランプ大統領就任後初の米中首脳会談。今回は米国フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘で行われましたが、米中首脳は友好関係を築けるのでしょうか。トランプ大統領は会談1日目にシリアへの巡航ミサイル攻撃を指示・実行しました。
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米中会談で両首脳の関係は?
習主席はパンダ外交後、アメリカに
日本の安倍首相同様、トランプ大統領の別荘に招待された中国の習近平国家主席。
しかし、トランプ大統領との会談のためだけに遥々中国からやってきたわけではないそうです。
習主席は、アメリカを訪れる前にフィンランドで『パンダ外交』を行なっていました。
フィンランドの農林省のツイート
Giant pandas are coming to Finland – 大熊猫来芬兰获得确认https://t.co/WmkzCbsGzg #panda @Ähtärizoo pic.twitter.com/a8I5d55QtI
— MMM (@mmm_fi) 2017年4月5日
『ジャイアントパンダがフィンランドにやってきます』
そして、フィンランドからアメリカに到着した中国の習近平国家主席と妻で歌手の彭麗媛(ほうれいえん)さんを迎えたトランプ大統領夫妻。
お出迎えでは、普通に握手をかわす程度でした。
(習主席夫妻は、トランプ大統領の別荘宿泊を断り、近隣のホテルに泊まるそうです。)
トランプ大統領は厳しい発言も?
少し硬い表情だったトランプ大統領ですが、1日目の会談後、夕食会では習国家主席と目を合わせて、しっかり握手をする場面も。
POTUS on meetings with China’s president: “I think long-term we’re going to have a very, very great relationship.” https://t.co/19knVX9SDS pic.twitter.com/eEvgxWvkuf
— ABC News (@ABC) 2017年4月7日
習主席と夫人をアメリカにお迎えできて光栄です。
すでに長時間議論しましたが、今のところ、得たものはありません。
本当に、全く収穫はないんです。
しかし、仲良くはなれたと思っています。
今後、素晴らしい友好関係を築けることを楽しみにしています。
隣に習主席がいるのに「話し合いでは何も得られなかった」というのは、すごいですね。
でも最後は笑顔で握手をして、友好関係を演出しようとしているようでした。
会談2日目は、北朝鮮への対応や貿易不均衡問題などについての話し合いが行われるそうです。
アメリカ、シリアの軍事施設を巡航ミサイル59発で攻撃?
トランプ大統領がシリア攻撃を命令
4月4日に化学兵器を使った空爆が行われ、子供を含む、多くの人々が亡くなったシリア。
トランプ大統領は、この空爆がアサド政権によるものだと断定し、シリアのアサド政権だけでなく、過去のアメリカ政権の対応も非難。
U.S. official after Navy warships fire missiles at Syrian airbase: “We’re done until another decision is made.” https://t.co/ph3l4vFYqu pic.twitter.com/spj3W8sYDf
— ABC News (@ABC) 2017年4月7日
これに対し、中国はアサド政権の攻撃とは断定しておらず、以前からシリア問題に関する武力行使に反対していました。
しかし、アメリカは米中会談の最中にシリア国内にあるアサド政権の軍事施設に向けて巡航ミサイル*「トマホーク」を59発発射。
*巡航ミサイルとは、飛行機のように翼とジェットエンジンで水平飛行するミサイルで、低高度で飛行することでレーダーに探知されにくい特徴があります。
Here’s video from the #Tomahawk launches against #Syria. For more on the story, visit https://t.co/2GprTQGGjs. pic.twitter.com/kB3gbBy4ma
— U.S. Dept of Defense (@DeptofDefense) 2017年4月7日
そして、トランプ大統領は習主席との夕食会終了後に『シリアへの攻撃を命令した』とのビデオ声明を発表。
化学兵器の拡散と使用を防ぐことは、アメリカの国家安全保障において重要な事だ。
シリアは禁止された化学兵器を使用し、条約に違反した。
トランプ大統領はビデオ声明の中で「シリア攻撃は化学兵器拡散防止の為。アサド政権は安全保障理事会の要請を無視し、化学兵器で罪のない市民の命を奪った。」と自身の対応を肯定し、アサド政権を強く非難しました。
なぜ米中会談中にミサイル?
トランプ大統領は北朝鮮に影響力を持つ中国に対して「中国が北朝鮮に圧力を強めなければ、アメリカが先制攻撃をしかねない」という姿勢を見せるために、米中首脳会談中にミサイル攻撃を指示したとの見方もあります。
(北朝鮮は、米中会談直前の4月5日の朝にも、日本海に向けてミサイルを発射。)
アサド政権による化学兵器使用や武力行使について、アメリカと意見が一致していない中国。
中国国内では、トランプ政権が米中首脳会談中にミサイルでシリアを攻撃した事を非難する報道がされています。
本当に米中首脳が友好関係を築けるのか謎ですが…会談では北朝鮮問題について議論する予定もあるので、どんな結論に至るのか気になります。
まとめ
- 中国の習近平国家主席がパンダ外交の後、アメリカを訪問
- トランプ大統領は、米中首脳会談中にアサド政権の軍事施設攻撃を指示
- 中国にプレッシャーを掛けるための意味合いもあると見られている
米中首脳は友好関係を演出しようとはしているが、実際のところ、立場には大きな違いがあるままのようですね。