イギリス出身の謎のストリートアーティスト『バンクシー』。2015年の『ディズマランド』以来の大作として、パレスチナの分離壁に囲まれたホテルをプロデュース。パンクシーのプロフィールや新しいホテルについてまとめました。
謎のアーティスト『バンクシー』とは?
バンクシーは、正体不明の覆面ストリートアーティスト。
英国ブリストル出身のロビン・ガニンハム(Robin Gunningham)という人物とも言われていますが、実はグループだとか色々言われていて、依然事実はわかっていません。
正体を隠しているのは『落書きは犯罪』という理由もあるようです…。
しかし、バンクシーはただの落書き好きではなく、世界各地でゲリラ的に作品を描き、美術館や博物館に勝手に自分の作品を展示してもバレない程の腕前。
バンクシーのストリートアート(1ヶ月間に渡ってバンクシーを追ったドキュメンタリー映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』予告編から)
普通は壁に勝手に落書きしたら捕まりますが、彼がアートを施した壁などがオークションで数千万円で落札されるなど、『バンクシーが落書きすると価値が上がる』ので訴えられず、逮捕もされないという伝説レベルのアーティスト。
また、バンクシーの作品はイギリスらしいブラックユーモアを含んでいますが、それは見る人に政治や現代社会の問題を投げかけ、議論を生み出します。
2015年には、テーマパーク『ディズマランド』をプロデュース。5週間限定でイギリスのサマセット州にオープンしました。公式予告動画
ディズマランドには、移民の乗った船の悲劇や、事故ったシンデレラにパパラッチが群がるなど悪夢の光景が広がっていました…。
確かにこのテーマパークを訪れたら、現実社会の問題を深く考えてしまいそうです。
パレスチナの分離壁ホテルをオープン
バンクシーは『ディズマランド』に続く大作として、パレスチナ自治区ベツレヘムにプロデュースした『ウォールド・オフ・ホテル (The Walled Off Hotel) 』= 壁に隔てられたホテルをオープン。
このホテルは、イスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸を分断する壁から4メートル程のところに建っており、全ての部屋から分断壁が見られます。
ホテルの施設がオープンするのは3月11日で客室利用は20日から、オンライン上での予約も3月11日から受付が始まります。
宿泊は、最も安くて『ベッドのみ』の一泊30ドル。
Budget bunk beds at #Banksy‘s Bethlehem Barrier Wall hotel (£30 a night) pic.twitter.com/P7kZ8fvrTr
— Emma Graham-Harrison (@_EmmaGH) 2017年3月3日
イスラエル兵舎で余っていたものを使ってコーディネートしているそうです。
他にもスイートルームや、冷蔵庫やエアコンが付いた個室もあるようですが、まだ値段はウェブサイトには書かれていません。
ホテルの公式ウェブサイトに載っているQ&Aを一部載せておきます。
1.
- Q:これはジョークですか?
- A:いいえ、これは本物のアートホテルで、施設や設備もしっかりしています。
2.
- Q:安全ですか?
- A:はい。このホテルは世界中から旅行客が訪れる繁華街にあり、レストランやバー、タクシーなどもつかまります。しかし、他の海外旅行と同様に、旅行前には自国の外務省のウェブサイトなどで現状を確認してください。
3.
- Q:ホテルは期間限定ですか?
- A:パレスチナに混乱や紛争を引き起こすきっかけともなったイギリスのバルフォア宣言*から100年を記念して、2017年中は営業します。人々が来れば、もっと長くやるかもしれません。
4.
- Q:このホテルは反ユダヤ主義ですか?
- A:もちろん違います。このホテルはバンクシーによる、完全に独立したレジャー施設です。『ウォールド・オフ・ホテル』が目指しているのは、様々な視点から壁にまつわるストーリーを伝え、訪問者に壁について知る機会を与えることです。
バルフォア宣言*とは…
第1次大戦中の1917年,英国外相バルフォアがパレスティナにユダヤ民族国家建設を認めると約束した宣言。トルコに対する作戦基地確保のためユダヤ人の協力を期待して発せられた。
ー引用元:コトバンク
色々コンセプトが興味深いホテルですね。
ちょっと行ってみたい気もしますが、予約をとるのが大変そうです。
まとめ
- バンクシーはイギリス・ブリストル出身の覆面ストリート・アーティスト
- アートを通して、見る人に政治や現代社会の問題を投げかけている
- 2017年3月に分断壁に囲まれた『ウォールド・オフ・ホテル』がオープン
落書きしても迷惑がられないストリートアーティストってすごいですね。