ニューヨーク・タイムズが始めた新しいキャンペーン『真実はこれまで以上に重要だ』。アカデミー賞授賞式の中継でもニューヨーク・タイムズの新しいCMが放映されました。
ニューヨーク・タイムズの新しいキャンペーン
アカデミー賞より少し前に発表されたニューヨーク・タイムズ紙の新キャンペーン&キャッチコピー。
『偽ニュース』や『もうひとつの事実』などが蔓延する世の中に、シンプルなメッセージを発しています。
Truth.
真実。
It’s more inportant now than ever.
それは今、これまで以上に重要だ。
このフレーズはTVのCMだけでなく、新聞の紙面、屋外広告やインターネット広告などにも掲載されています。
そして、26日に行われたアカデミー賞授賞式の中継の際には、この日のための特別なCMが流れました。
アカデミー賞授賞式の中継で特別CMが放映
ニューヨーク・タイムズの公式YouTubeチャンネルで見られるこの動画は、アカデミー賞バージョンと通常のCMバージョンがあります。
ほとんど内容や展開は同じですが、アカデミー賞版は『セレブリティは…』というフレーズが入っているようです。
アカデミー賞授賞式バージョンのCM
CMの内容
白い背景に黒い文字のシンプルなCM。
『真実は…私たちの国は今まで以上に分断された状態だ。』から始まり、『The truth is (真実は)』に続く言葉が繰り返し表示されます。(以下、一部抜粋)
- 真実は…『もう1つの事実』とは嘘。
- 真実は…メディアは正直ではない。
- 真実は…我々は国境を守らなければならない。
- 真実は…セレブリティは黙っているべきである。
- ・・・
次第に、議論していた人々の声がどんどん大きく、騒がしくなり、画面の文字もすごいスピードで変わって、書かれている情報が正確にはわからなくなります。
そして、静寂。
- 真実は難しい
- 真実は、見つけるのが難しい
- 真実は、知るのが難しい
『真実は、これまで以上に重要だ』
で、CMは終わります。
ニューヨーク・タイムズは、このキャンペーンの発表に際して声明を出しました。
我々はジャーナリズムにおいて、最高の質にこだわってきた166年の歴史があります。
そして、常に使命感を持ち、適切な方法で情報を集め、独立した公平な視点で世界のニュースを伝えてきました。
何が真実で何が嘘なのか、不確かなことが多い現代の世の中で、我々はこれからも真実を探し求める姿勢を貫きます。
また、ニューヨーク・タイムズがこのキャンペーンを打ったのは、自分たちの立場を明確にするだけでなく、国民に『ジャーナリスト / ジャーナリズムの役割』『真実を見つけることの意味』『ジャーナリズムを支える読者の役割』などを考えてもらう目的もあったようです。
ネット上では、このCMについて『カッコイイ』『最低だ』など単なる感想の他に、内容について議論する声も見られるので、ニューヨーク・タイムズのキャンペーンは多かれ少なかれ人々に影響を与えているようですね。
ちなみに、ニューヨーク・タイムズがTVでCMを放映するのは2010年以来のことだそうです。
トランプ大統領は広告を批判
トランプ大統領がツイッターでつぶやいたのはアカデミー賞の授賞式より前ですが、すでに発表されていたニューヨーク・タイムズの新CM (広告) について嗅ぎつけたようです。
さすが、こういう時はすぐ飛んできますね。
For first time the failing @nytimes will take an ad (a bad one) to help save its failing reputation. Try reporting accurately & fairly!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月26日
『落ちぶれた評判をなんとかするため、経営難のニューヨーク・タイムズは初めて広告(ヒドイやつ)を出すようだ。もっと正確で公平な報道をしろ!』
・・・
と、言うことでメディアとトランプ大統領の闘いは続きます。
まとめ
- ニューヨーク・タイムズ紙が新しいキャンペーンを発表
- 『真実はこれまで以上に重要だ』がキャッチコピー
- アカデミー賞授賞式のTV放送でもCMが流れた
- トランプ大統領は『ヒドイ広告』と批判
『事実』や『真実』って本当に深いですね。トランプ大統領は、とりあえず発言に根拠を示してほしいです。